CADTOOL FEMはあくまで二次元CAEですので、このように厚みをつける場合、上記のようにベースの断面に対して両側に均等に厚みがついている形状のみ対応可能です。 以下の図のように、片側だけ突き出た形状を解析対象の構造物として定義することはできません。
また複数材料は、矩形の境界要素に対してのみ設定できます。設定できる複合材料は、デフォルトのほかに最大4種類、計5種類です。
対象:
・平面応力解析
・平面板曲げ解析
・平面熱応力解析
荷重は厚み方向に均一にかけられた状態になります。 下の図のように、荷重をかけるエリアを指定することはできません。
対象:
・平面応力解析
・平面熱応力解析
CADTOOL FEMでは、円周方向に部分的に変化するような形状は解析対象の構造物として定義できません。
対象:
・回転体応力解析
・回転体熱応力解析
回転体の荷重条件の「集中荷重」では、すべての円周方向に均等にかかるように設定されます。 したがって、下の図のように円周上の一部に集中荷重がかかる荷重条件はできません。
対象:
・回転体応力解析
・回転体熱応力解析
四つの頂点と各辺中央にも節点を設けて8節点とした2次要素で、三角形3節点要素等の1次要素に比べ精度が高い特徴を持ちます。またアイソパラメトリックの意味は変形が可能という ことで、正方形を基本とするが台形や二つの辺が直線上につながった三角形になっても計算が可能である。
対象:
・すべての解析モード
有限要素法の解析に必要な外的な要因を境界条件といい構造解析では支持条件と荷重条件が境界条件となります。 荷重条件は、解析対象の形状のどの部分に、どのくらいの大きさで、どの方向から荷重が加わるかなどの条件です。 支持条件は解析対象の形状に対して、どの部位をどのように固定するかなどの条件です。
多くの物質は温度が上がると膨張しますがその割合は長さを基準とした線膨張係数や体積膨 張係数で表されます。固体の場合は主に線膨張係数(記号はαとする)が使われ一般構造用 鋼材のSS400では[α=11.7×10e-6/℃]とかなり小さい値になります。 ここで線膨張係数αの意味は長さLのものが温度⊿T上昇すると長さの伸び⊿Lは次の式の ⊿L=L×α×⊿T だけ伸びることを示しています。これを熱膨張といい、温度変化した 物体が何も拘束されていないと熱膨張のみ発生(自由膨張)して大きさが変化しますが応力 は発生しません。
具体的には長さL=100mm、温度上昇⊿T=100℃とするとSS400では ⊿L=100×11.7×10e-6×100=0.117mm と熱膨張としてはわずかな量になります。しかし熱膨張の一部が拘束されて変位できない部 分があると熱膨張しようとする力が内力となり応力が発生します。これを熱応力と言います。
合成応力の一つで一般には三次元での垂直応力(3成分)とせん断応力(3成分)の6つの成分を統合した応力で、方向を持たないスカラー値になります。 そのため、例えばある部位にかかる応力を参照する際、最大主応力や最小主応力など多方向の応力を見る必要がなく、ミーゼス応力だけで判断できます。 ただし、前述のようにスカラー値ですので、その応力が圧縮なのか引張なかの判断はミーゼス応力を参照するだけではできません。