太陽光電池アレイ支持物の計算において、CADTOOLフレーム構造解析を導入するきっかけはさまざまですが、次の目的で導入されるというお客様が多く見受けられます。
太陽光パネルメーカー様など、架台の構造計算を頻繁に行うお客様では、お客様へ提案や製品開発において、手計算や過去の経験を元に架台設計を行っていましたが、競争力に対応するために、より適切な部材の選定によるコストダウンや提案の迅速化を目的にCADTOOLフレーム構造解析を導入していただいております。
設計会社様に多く見受けられるのが、太陽光・ソーラーパネルの架台設計依頼が増え、従来、構造計算は専門の会社へ依頼していたが、繰り返しの計算や納期に対応するためにも、基礎の計算はCADTOOLフレーム構造解析を利用して専門会社への計算依頼回の外注数軽減によるコストの削減や納期短縮などを目的に導入いただいております。
太陽電池アレイ支持物設計を始めようと考えている人向けに、陸屋根形の支持物を対象にした「太陽電池アレイ支持物設計チュートリアル」をご用意させていただきました。このチュートリアルでは、次のことについて解説しています。
設計する太陽電池アレイ支持物の具体的な設置条件を決めて0から支持物のモデルを作成し「太陽電池アレイ用支持物設計標準 JIS C8955」に準拠して各種荷重を求めて設定し、強度計算をして評価するところまで実務に沿った流れで解説しています。さらに溶接構造モデルからボルト組立モデルへの変更や部材のサイズを変更した場合の強度評価なども実際の操作を含めて分かりやすく説明しています。
風圧荷重は地表面粗度区分と平均地上高からガスト影響係数、環境変数を求めそれと用途係数から設計用速度圧を求め、さらに風力係数、受風面積、アレイ面の傾斜角度から風圧荷重を求めるのですがJISの解説では具体例が出ていないので非常に分かりにくいです。本チュートリアルでは具体的にこれらの係数の数値を手計算で求めながら、陸屋根形の順風の場合と逆風の場合の風圧荷重を求めています。設置条件の異なる支持物でも風圧荷重を求める手順は変わらないので係数等を変えるだけで簡単に風圧荷重が求められるようになります。
積雪荷重はJISでは区域の標準的な標高や海率と地域の係数から地上垂直積雪量を求め、雪の平均単位質量と積雪面積などから求めます。これもJISには具体例がありませんが本チュートリアルでは風圧荷重と同様に手計算で求める方法を説明しています。さらに求めるのが面倒な地上垂直積雪量についてはもっと簡単に決める方法についても紹介しています。
本チュートリアルで解説しているモデルを随時データファイルに保存したサンプルデータが付いていますので自分で作ったモデルが上手くできたかどうかなどの確認に活用できます。